成人式で「思い出し怒り」

今年の成人式は1月8日でしたね。
私が成人式を迎えた頃は毎年15日と決まっていて、新成人の人でなくとも、未来の自分に想いをはせたり、過去の自分を懐かしんだりして、ただの行事ごとでもなかったように思うけど、そういうのは私だけ?
最近は、ただの行事・ただの休日って感じになってきている気がする。。。
私が年とっただけなのかもね。
さて、その成人式。
毎年、この成人式がやってくるたび、あの時のことが思い出され、私は人知れず、むかつきます。
三谷幸喜さんの著書『三谷幸喜のありふれた生活3 大河な日日』の中に

三谷幸喜のありふれた生活3  大河な日日

三谷幸喜のありふれた生活3 大河な日日

『コンビ二で「思い出し怒り」』というエピソードがあって、そこで「思い出し笑いがあるように、思い出し怒りというものも世の中にはある」と、コンビにに行く度に思い出してムカつく思い出話をされてるんですが、それを読んだ時、私は(もう、全く、そのとおり!)ってうなってしまいましたよ。あるよ、思い出し怒り。私もあるんだよ!思い出し怒りー!!
で、そのきっかけ、それが成人式なのです。
もう、10年以上前になるんですけどね。
私はもう社会人(といってもフリーターですが)だったので、仕事が休めるか分からないし成人式に行くかどうか迷っていました。着物もないし。
けど、うちの父が「知り合いから着物を借りられるから行けば?」と言ってくれたのと、友人の誘いもあったので行くことにしました。
というわけで、12月に入って美容院の予約をし準備も万端。行けないと思っていたけど、着物まで着ることができるなんてと、嬉しくて借りてきた着物を眺めては、日々楽しみにしておりました。
当日、予想以上に重い着物セットを持って、予約してある美容院へ1人で(うちは母がおらず、父は仕事なので)向かいました。10時の予約時間の5分くらい前に着き、「予約していた者ですが」と声をかけると待つように言われ、待合は私の前のお客さんのお母さんたちで埋まっていたので、重い荷物を持ったまま立って待っていました。
待っているときに気がついたのですが、私の前にメイクしてもらっているのは、どうやら中学のときの同級生。2人いて、そのどちらとも遊びに行ったりしたことがありました。けど、メイク中で話かけられず。
お母さんたちと、店主さんが知り合いのようで、色々話をしながら入念に、とても丁寧にメイクされてました。

気がつけば、予約の時間を10分過ぎ20分過ぎ・・・。30分過ぎた頃から不安になって、「早くして!」と叫びたくなったけど、前客が知り合いだったため、気にしてないような度量の大きさをもったふりをしつつ、変に仕上げられても嫌だしなぁってしり込みしてたら、前客のメイクが終了。やっと自分の番だと思ったら、美容師さんと前客は奥の方へ。着付けに行ったもよう。座って待ってるお母さんたちの横で、1人、ポツンと待たされました。
着付けが終わって出てきて、今度こそ自分の番かと思いきや、写真撮影がスタート。座って待っていたお母さんたちも立ち上がって、写真をパチリパチリ撮りまくり。時間はすでに、11時をまわっていました。
友人との待ち合わせ時間があるので、我慢できず「早くして」と言うと、やっと髪のセットが始まりました。こちらの要望を言う間もなく、適当に巻いてアップに。その後、着付けをしながら立ったまま顔に粉をぽんぽんぽんっとやって、「眉毛はしっかりしてるから、描かないわね」と言い、口紅だけ塗って終了。着付けは着付けで、「1つ紐がないと着付けできないから、千円でこの紐買ってもらわなあかんけど、どうする?」と言ってくる始末。でも、店主さんが「こんなに待たせちゃったんだから、それはサービスしとき」と言ったので、とにかく時間もないし、外には友人も迎えに来てるし、その紐を使って着付けしてもらいました。
写真撮影も、2ポーズで終了。前客は何度もシャッター切ってたのに。最後のお会計、前客は知り合いだからか、サービスしてもらって3万円。私は「ごめんね〜、さっきの紐の値段も含めて3万2千4百円」だってさ!
めっちゃ、文句言いたかった。怒鳴り散らしたかったけどさ、友人との待ち合わせ時間を1時間近くこしてて迎えに来てくれてるし、友人のお父さんに車出してもらってたから、そんな時間もなかったんだよ!ちくしょう!!
しぶしぶ払って、車の中で鏡を見た時、愕然としました。
なんじゃぁ、こりゃぁあ!? byジーパン。
粉だらけの顔に、ただ赤い唇が浮いてる感じ。こんななら、お金払わなくても自分のほうが綺麗にできるよ!!
ハンカチで粉を払い落とし、会場へ。当然、式典は終了してました。友人にも、かなり迷惑かけちゃった。
追い討ちをかけるように風が吹くたび髪はバラバラと崩れ、かなり憂鬱。そこで、さっきの前客だった同級生と遭遇。
完璧に仕上げられた彼女たちからは、キラキラっていう効果音が聴こえてきそうなくらい。「あぁ、やっぱり〜、かなちゃんだと思ったんだよね〜」と話しかけられ、しばらく世間話。その最中、私はピカピカの彼女たちを前に、惨めで惨めで悲しくてしょうがありませんでした。
それでも、彼氏が迎えに来てくれることになっていたので、彼さえ、この着物姿を喜んでくれれば、それで満足できると反応を楽しみにしていました。それだけが、唯一、幸せな思い出にできるエピソード。そのはずだったのに・・・!
迎えに来た彼が発した一言。
「落ち武者みたいだね」
・・・・・・・・・・・・・・・・。
止めの一言。
それからです。成人式が怒りの思い出になったのは。
結局、美容院で撮影した写真も1年なんの連絡もしてこず、手元には届きませんでした。だって、私の住所とか聞いてないんだから当たり前だよね。いつか、そのことで文句つけてやり直しさせようと思っていたとき、仕事場に「写真が出来てるんですけど〜」と電話がきました。1年以上もたってるのに、何事もなかったかのごとく。バイト先で、私を見かけた美容師さんが電話かけてきたみたいです。っつか、それなら持って来いよと怒ったら、持ってきました。
当然、あんまり良い写真ではありませんでした。唯一の、成人式の写真なのにな。。。
私、このときほど、女の家族がいればなぁと思ったことないです。
初潮のときも、妊娠のときも、結婚式や出産のときだって、思ったけども何とかしたのよ。自分で、または人に助けられ、何とか乗り切ってきた。
けどね、成人式の着物姿を喜んでくれるのは、やっぱりお母さんなんだよね。それに、力を注いでくれるのは、その魅力をわかってくれるのは、母親が一番だ。。。
私は、親に高いお金出してもらって、成人式をピカピカ凛々しく迎えているお嬢さんたちを見る度、いいなぁと、ちょっと妬んだりもしてました。私は車の免許も成人式も結婚式も、全部自分で稼いだお金でやりました。だから、すっごく、うらやましかった。お母さんが、うちの娘が1番綺麗!って、色々やってくれるお家が。ま、今はそういう価値観も変わったけどね。
と、こんな感じで思い出しては怒るのです。
まさしく、全く無駄な時間。三谷さんと同じく、その時に行き当たり、また余計にむかつきます。
金返せ〜!(←結局それかよ。)