パクられたの?

松本零士さんが、槇原敬之さんを、なんかパクっただの何だだのおっしゃってますね。
どうも、長澤まさみさんが出演している、カップスープかなんかのCMに流れているケミストリーの歌の歌詞のことで、もめているみたいです。
あの曲、最近の私のお気に入り。歌詞は聴いてなかったけど。
あ。で、その歌の歌詞ね、「夢は〜時間を裏切らな〜い♪」だったかなんだか、その部分が昔、松本さんが描いた「銀河鉄道999」の中に書かれた内容と全く一緒だってことで、「パクリだパクリだ謝れ〜」ということらしいのですが、槇原さん側からしたら、「あなたこそ、宮沢賢治さんパクってるでしょ〜?」って話なわけです。

私は、宮沢賢治さんの<銀河鉄道の夜>も大好きだし、
松本零士さんの<銀河鉄道999>も大好きだし、
槇原敬之さんの楽曲も大好き。

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

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銀河鉄道999 (劇場版) [DVD]

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SMILING?THE BEST OF NORIYUKI MAKIHARA

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作家のプライドって、それって、なんなのよ!?
そもそも、漫画の台詞とかそーゆーの、よっぽど印象深くなかったらイチイチ覚えていないし、もしも覚えているほどの名言ならば、パクったところでバレるからフツーやんないでしょう。
まっきーが「知らないわけはない」なんて、どんだけ自分エライと思ってるんすか。
フランス人とコラボとかして、俺って国際的にまで有名!?みたいな、思い上がり??
ちなみに、うちの夫は38歳で、初恋の人はメーテルですが、「漫画を読んだこともないし、そんな台詞は知らん」だそうですよ。これが現実よ。
や、実際、パクったかどーかは知らないけども、でも、〔誰もが知っている〕っていうものではないってことよね。私も知らんかったよ。

どーしてさぁ、すぐ、パクリだって怒んの?
きっと、考えて考えて、搾り出した、大切な言葉の詰まった台詞なんだろうけど、それは分かるんだけど、でもさ、まっきーだってそうだったのかもしれないじゃんか。
今は、現代は、物質だけじゃなく色んなものがたっくさん溢れていて、すれ違った人の顔なんてイチイチ覚えていられないんだよ。どこに、何があったかなんて、すぐ忘れてしまうんだよ。
そんな時代に生まれ育った私たちの世代が、新しいものを作るのは、とーっても大変。
「お!これ、いいアイディア!!」って、閃いても、ずっと昔にどっかの誰かがすでにやっているので、あなたは実行不可能ですって言われてばっか。
何にもない空き地にだったら、どんな建物でも自由自在に建てられるけど、空きビルしかない私たちは中身と外装を変えるだけで、骨組みまでは変えられないんだもん。
建て替えるには、倍以上の時間と労力と、色んな障害がかかってくるし。
それでも、必死になって見つけてきた空き地が、もう誰かのものでしたって言われるなんて。
どうせならその空き地、好きなように使っていいよっていう、度量をみせてよ。
悪意があって、知っててその土地を侵してるわけじゃないんだから。

古い人たちはさ、いつか自分たちの時代は終わっていくんだよ。
あとに遺していけるものがあったとしても、それを伝えていってくれる人がいなきゃ意味がないんだよ。
だったらさ、作家として、プライドかけて紡ぎ出したその言葉を、どこかで形が変わっても、世の中に伝わっていき続けるなら、それってすごいことじゃない?
パクったにしろそーでないにしろ、自分の生み出した言葉が永遠に意味を失わないなら。
作家なら、その言葉を思いついた自分のアイディアにではなく、その言葉にもたせた意味に、プライドをかけてほしいです。